日本都市学会第54回大会開催のお知らせ

  1. 日 時   2007年10月25日(木)・26日(金)・27日(土)
  2. 場 所   松山市総合福祉センター(松山市若草町8番地2)   アクセスはこちら
           【住所を既報のものから訂正しました。 若「葉」町→若「草」町】
  3. 主 催   日本都市学会・中四国都市学会
  4. 大会テーマ   交流人口を活かしたまちづくり(詳細はこちら
  5. プログラム  (9月10日更新、変更がありますのでご注意下さい)
    10月25日(木) 13:00〜17:00 エクスカーション
      18:00〜20:00  理事会 (理事会のみ会場は愛媛大学を予定)
    10月26日(金)  9:30〜12:00  研究発表 I
      13:00〜17:30  授賞式 ・ 市長講演 ・ シンポジウム ・ 総会
      19:00〜20:30  懇親会
    10月27日(土)  9:30〜13:00  研究発表 II 

  6. 大会参加申し込み  会員宛に郵送しました大会案内に同封のハガキでご連絡下さい(欠席の場合も返送して下さい)。
  7. 研究発表の募集
    (1)研究発表は案内に同封のはがきで申し込んでください。
        申し込みは8月31日必着とします。 ←締め切りました
      記載事項は、@所属・氏名・メールアドレス、A研究発表のテーマ、B発表希望分野(第1希望と第2希望)、Cエクスカーション参加・不参加、です。
    (2)発表要旨は次の要領で作成してください。
    @用紙は、A4サイズ、縦長、横書きで2枚。
    A余白は、上下25mm、左右20mmとし、文字数は、ヨコ22字、ヨコ40行、2段組、段間10mm、1760字/頁。文字は、10ポイント、明朝体。
    B1頁目の上部7行分は1段組とし、タイトル、所属、氏名に使用します。2行目にタイトル(14ポイ  ント、ゴチック、中央揃え)、6行目に所属・氏名(10ポイント、ゴチック、右揃え)、本文は8行目  から2段組で。(年報掲載論文と同じスタイルになります。)
    Cそのまま印刷原稿としますので、図表は見やすく貼り付けてください。図のタイトルは図の下部に、  表のタイトルは表の上部に、それぞれゴチック、中央揃え。
    D詳細は、大会開催担当事務局(中四国都市学会)へお問い合わせください。
    E発表要旨の提出期限は9月20日必着です。 送り先は中四国都市学会事務局です(下記)。
  8. エクスカーションについて  (9月10日更新、変更がありますのでご注意下さい)
    実行責任者: 寺谷亮司(愛媛大学)
    案内者: 松山市役所の担当者,宝荘ホテル社長
    参加費: 坂の上の雲ミュージアム入場料(団体320円)、電車代(1日乗車券300円をお勧めします)
    集合場所: 松山城ロープウェイ乗り場駅(路面電車の大街道駅から徒歩5分)
    申込み方法: 当日参加や途中からの参加も可能ですが、配布する資料数を把握するため、
            郵送しました大会参加申込みハガキでなるべく事前申し込みをお願いします。
    コース(予定):
    @13:30 ロープウエイ駅舎集合
    A13:40〜14:10 『坂の上の雲のまち構想』説明
         場 所:ロープウエイ駅舎内の会議室
         説明者:坂の上の雲まちづくりチーム 松本担当部長
    B14:20〜14:35 ロープウエイ街からミュージアムへ移動
         移動しながらロープウエイ街の整備について説明
         説明者:総合交通課 石井副主幹
    C14:40〜14:50 ミュージアムについて説明  公式サイト
         場 所:ミュージアム内溜まりスペース
         説明者:ミュージアム担当職員 西森主任
    D14:50〜 各自でミュージアム見学
         観覧料:400円/人 → 20人以上団体割引 320円/人
    E15:30〜 大街道電停集合 → 路面電車にて道後へ移動
    F16:00 道後温泉駅集合 → 道後温泉本館前へ移動  松山市サイト
    G16:10〜 道後温泉周辺整備等の説明
         場 所:道後温泉本館周辺
         説明者:総合交通課 石井副主幹

  9. シンポジウムについて (詳細は調整中のため変更の可能性があります)
    テーマ:  交流人口を活かしたまちづくり
    日 時:  10月26日(金)  13:00〜17:00
    13:00〜13:10   日本都市学会賞授与式   
    13:10〜13:20   開会挨拶 佐々木公明 (日本都市学会会長)
    藤目節夫 (中四国都市学会会長)
    13:20〜13:50   市長講演 中村時広 (松山市長)  公式サイト
    14:00〜17:00   シンポジウム   
    総合司会:  平 篤志(香川大学)
    オーガナイザー:  日野正輝(東北大学)
    趣旨説明:  藤目節夫(愛媛大学)
    パネリスト:  
             松本啓治 (松山市・坂の上の雲まちづくりチーム担当部長)   参考:松山市サイト
             児玉更太郎 (安芸高田市長)   参考:地域づくりリーダー研修会での講演録
             戸所 隆 (高崎経済大学)   参考:研究室のオフィシャルサイト
             竹内伝史 (岐阜大学)   参考:最近著新・都市計画概論
             松波龍一 (松波計画事務所 )   参考:ハウジングアンドコミュニティ財団・まちづくり道具箱
             上田知子 (高知・いちょうの樹)   参考:中国四国農政局・農村で輝く女性たち

  10. 研究発表プログラムについて
    現在編成中です。9月下旬にこのサイトで、10月上旬に郵送でお知らせします。
  11. 懇親会
    日 時: 10月26日(金) 19:00より
    会 場: 道後山の手ホテル
                アクセスはこちら  会場への移動はタクシー分乗が便利です(1人300円程度)
    会 費: 6000円 (学生会員には割引あり)
  12. 宿泊
    松山市内には、JR駅前地区、大街道地区、道後地区に多数のホテル・旅館があります。
    なお、3000人規模の日本公衆衛生学会が開催されるため、25日の宿泊は混雑が予想されます。
    下記サイトなどを参考に、各自で早めのご予約をおすすめします。
      松山観光コンベンション協会
      るるぶトラベル
  13. 申し込み・お問い合わせ先
    〒739−8524 東広島市鏡山1−1−1
    広島大学大学院教育学研究科社会認識教育学研究室内
    中四国都市学会 事務局  由井義通
    TEL 0824−24−6804  FAX 0824−24−5083
    <e-mail> yyui@hiroshima-u.ac.jp


日本都市学会第54回大会テーマ

交流人口を活かしたまちづくり

日本都市学会会長  佐々木公明 
中四国都市学会会長 藤目 節夫  
  
  地方分権が叫ばれるなか、地域自らの主体的な取組による地域振興が緊急の課題となっている。国から自治体への補助金が大幅に削減され、定住人口の増加も企業誘致もほとんど見込めない地方の多くの地域では、交流人口の増加による地域活性化が強く意識され、かつ模索されるようになってきた。かつては交流人口と言えば観光によるものが中心であったが、近年の特徴はこれ以外に多様な交流人口を発生させる試みがなされていることである。たとえば、テーマ性を持ったまちづくり、コンベンション、各種イベント等はその一例である。
  観光は交流人口の創出に依然として重要であるが、国民が観光に求めるものは名所旧跡の物見遊山一辺倒から、グリーンツーリズムに代表されるような「田舎のあるがままの姿」へと次第に重心を移しつつある。象徴的に言えば、「はっとする観光地」よりも「ほっとする観光地」が指向されるようになり、個別の観光資源よりも地域住民をも含めたトータルな地域の魅力が重要な意味を持つようになった。それゆえ、観光振興はまちづくりの中で位置づけられるようになり、「観光まちづくり」や「まちづくり型観光」のタームが使用されるようになってきた。
  コンベンションや各種のイベントは当初から交流人口の増加を目的とした活動であるが、まちの課題解決やアイデンティティの確立を目的としたテーマ性を持ったまちづくりが結果的に交流人口を飛躍的に増加させる場合がある。たとえば熊本県の水俣市は、水俣病を契機とする地域内の対立を解消する過程で地元に学ぶ地元学の方法論を確立し、全国から水俣のまちづくりと地元学を学ぶ多数の交流人口を生み出した。また福岡県の柳川市は、埋め立て予定であった掘り割りの保存という地域アイデンティティの確立の運動が、結果的に多数の観光客の来訪を招くこととなった。
  交流人口を活かしたまちづくりの内容と同時に考慮すべきことは、活動の主体である。これまで長い間、まちづくりは行政がやるものと多くの人が考えてきたが、次第に住民と行政の協働でなされるものとの認識が高まりつつある。たとえば、観光振興はこれまで行政と観光関係団体が中心になり進められ、地域住民への配慮はきわめてわずかであった。しかしグリーンツーリズムが台頭してくる状況では、「田舎のあるがままの姿」を形作る主役は地域住民であり、観光の持続可能性の視点からも住民、行政、関係団体の協働による観光振興が展開される必要がある。
  協働のまちづくりは平成の大合併を一つの契機として世に喧伝されているが、全国のまちづくりの主流は行政主導の状態に留まっている場合が多い。しかし、著名なまちづくりで交流人口の増加を達成しているまちでは、例外なくまちづくりは協働でなされており、地域住民が中心的役割を果たしている場合が多い。住民主体のまちづくりで住民が自らと地域に誇りを持ち、それが新たなまちの魅力となってさらなる交流人口を生んでいるのである。残念ながら、このような住民主体のまちづくりの事例は全国的に少なく、実証的研究も未だ蓄積が十分ではない。大会ではまちづくりにおける交流人口の役割に関する理論的、実証的考察に加え、新しいまちづくりの形態としての交流による住民主体の活動の具体例や可能性を検討し、かかるテーマに関する研究成果の発表と活発な議論が期待されるところである。